TeamViewerの画面処理の脆弱性CVE-2026-111585
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TeamViewerの2026年10月27日の告知によると、リモートコントロールの画面処理の整数オーバーフローCVE-2026-111585(CVSS 8.8)は、攻撃者の管理する接続先ホストが閲覧側のクライアントをクラッシュさせ、プラットフォームによってはコードを実行できる可能性があり、15.83で修正された[1]。告知の公開時に、TeamViewerは悪用が野外で行われている事実を把握していない[1]。
脆弱性の内容
TeamViewerの告知は、対象を画面処理コンポーネントとし、閲覧側プロセスの権限でのコード実行を「プラットフォームによっては」と留保している[1]。悪用には、ユーザーが攻撃者の管理するホスト、または侵害されたホストへのリモートコントロールのセッションを確立する必要がある[1]。
| 項目 | 値 | 資料 |
|---|---|---|
| CVSS 3.1 | 8.8(High)、CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H | [1] |
| CWE | CWE-190(Integer Overflow or Wraparound) | [1] |
| 悪用の前提 | ユーザーによるリモートコントロールのセッションの確立 | [1] |
Remedioの10月29日の記事によると、TeamViewerのセッションではホストが画面を共有し、ビューアーが表示して入力を返し、この脆弱性では攻撃者がホスト、被害者がビューアーである[2]。ホストはセッションの開始時に、画面の幅・高さ・色深度を含むDisplayParamsメッセージを送り、ビューアーはそれでデコード面(CBitmapBuffer)のメモリを確保する[2]。この面は、ビューアーにハードウェアのビデオデコーダーが無いときに使われ、ホストがビデオコーデックのネゴシエーションを拒むと、ビューアーはこの経路を使わされる[2]。
原因は、CBitmapBufferのコンストラクターが色面のバイト数を32ビットの算術で計算し、結果が2^32で回り込むことにある[2]。確保は回り込んだ値で行われる一方、更新の矩形の検査は宣言された幅と高さで行われ、確保した大きさとは比べられない[2]。幅・高さを32768、32ビット/ピクセルとした例では、意図したバイト数は4,299,162,624、実際の確保は4,195,328(約4.0MB)になり、31行目より後の行はすべて境界外への書き込みになる[2]。ホストが通知する画面寸法は上限の検証なしに描画面の大きさに使われ、Remedioは、確立済みの通常のセッションの中でこの脆弱性を引き起こせることを研究室で確認した[2]。
Remedioは標準のWindows版で、リモートからのサービス拒否になる再現可能なクラッシュを確認した[2]。さらにControl Flow GuardとDEPを回避して呼び出しをWinExecへ向け、ビューアーでコードを実行させるところまで到達した[2]。デモでは、ヒープの整形に当たる部分を、ネットワーク上のタイルのペイロードの代わりにホスト側のフックが破損バイトを置く形で代用した[2]。
攻撃は接続の受け入れだけに基づくと、Remedioは述べた[2]。
SecurityWeekの10月30日の記事は、Remedioが「受け入れたセッションがあれば足りる」と説明し、この面は既定の構成で到達できるとした[3]。
コード実行が示されたのはWindowsだけで、macOS・Linux・Androidで同じことが可能かは記事に書かれていないと、The Hacker Newsは報じた[4]。
時系列
対象の製品と版
TeamViewerは2025年12月15日の発表で、創業から20年を迎え、64.5万社超の顧客にサービスを提供していると述べた[5]。
| 製品 | 影響を受ける版 | 修正版 | 資料 |
|---|---|---|---|
| TeamViewer Full Client(Portableを含む) | 15.83より前(Windows、Linux、macOS) | 15.83 | [1] |
| TeamViewer Full Client 15.64系 | 15.64(Windows) | 15.64.10(Windows 7 & 8) | [1] |
| TeamViewer Full Client 14.7系 | 14.7(Windows、Linux、macOS) | 14.7.48868 | [1] |
| TeamViewer Full Client 13.2系 | 13.2(Windows、Linux、macOS) | Windows 13.2.36231、Linux 13.2.154008、macOS 13.2.154007 | [1] |
| TeamViewer Remote Control(Android) | 15.83より前 | 15.83 | [1] |
| TeamViewer Host | 告知の影響を受ける版の欄に記載なし | 15.83(Windows、Linux、macOS) | [1] |
The Hacker Newsは、告知が対象にHostを挙げていない一方、同じ告知にあるHostに影響する他の2件も15.83で修正されると報じた[4]。TeamViewerの同じ告知は、CVE-2026-92374(macOS向けFull ClientとHostの権限昇格、CVSS 7.8)とCVE-2026-92372(LinuxとmacOS向けFull Clientの境界外書き込み、CVSS 8.8)も修正の対象にしている[1]。
悪用の状況
TeamViewerは告知の公開時に、悪用が野外で行われている事実を把握していないとした[1]。The Hacker Newsは、2026年10月29日時点のCISAのKnown Exploited Vulnerabilitiesカタログにこの脆弱性が載っておらず、Remedioは野外の攻撃を報告せず、エクスプロイトコードも公開しなかったと報じた[4]。
Remedioは15.80.6.0のビューアーが影響を受けることを確かめ、15.82.6.0にも脆弱なコンストラクターが残っているのを観察した[2]。The Hacker Newsは、9月のセキュリティ更新15.82を含む15.83より前のすべての版が影響を受けると報じた[4]。
修正と回避策
TeamViewerは、最新の版へできるだけ早く更新することを強く推奨した[1]。対策欄に書かれた手順は、15.83か提供されている最新の版への更新である[1]。The Hacker Newsは、TeamViewerが回避策を挙げていないと報じた[4]。
未公表の事項
- 10月28日の告知更新の内容
- Windows以外のプラットフォームでのコード実行の可否(TeamViewerは「プラットフォームによっては」と記している[1])
出典
当事者
- [1]TeamViewer SE『TV-2026-1011 Security Update for Vulnerabilities in TeamViewer Clients』(2026年10月27日公開、2026年10月28日更新)
調査・観測
- [2]Remedio『Remote Code Execution in TeamViewer』(2026年10月29日公開)
報道機関
- [3]SecurityWeek『TeamViewer Flaw Could Let Malicious Hosts Take Over Support Technicians' Machines』(2026年10月30日公開)
- [4]The Hacker News『TeamViewer Flaw Lets Remote Computers Attack Users Who Connect to Control Them』(2026年10月30日公開)
背景資料
- [5]TeamViewer SE『From Remote Access Pioneer to AI-Driven Digital Workplace Powerhouse: TeamViewer Celebrates 20 Years of Innovation』(2025年12月15日公開)
更新記録
- 2026年11月5日:公開した。
